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【石油・天然ガス】

中国 2019年第3期石油製品輸出枠が通達 前年同期の2倍超 (19/08/16)
2019/8/16
中国【石油・天然ガス】

 2019年第3期の石油製品輸出枠が通達されたが、民営企業には依然として輸出枠の割当がなかった。

 2019年第3期の一般貿易石油製品輸出枠は合計600万トン、前年同期比104.78%の増加になった。

 輸出枠を得たのは中国石油化工(SINOPEC)、中国石油天然ガス(CNPC)、中国海洋石油(CNOOC)、中化(SINOCHEM)、中国航空油料(CNAF)の5社。うち中国石油化工は278万トンで、46.3%を占めた。CNPCが201万トン、CNOOCが60万トン、SINOCHEMが60万トン、CNAFが1万トン。

 製品別では、ガソリンが合計235.5万トン、軽油が210万トン、灯油が154.5万トン。

 今年通達された石油製品輸出枠は加工貿易輸出枠も含めると現時点で合計5,800万トンになり、昨年の総量を16.67%上回っている。

 6月時点の輸出枠履行率は54%で、うちガソリン輸出枠履行率は50%、軽油は64%、灯油は47%になる。

 7月末時点の石油製品総輸出量は3,800.5万トン、前年同期比9%増。

 石油製品輸出枠の増加が続いていることには国内の製油能力過剰の現状が反映されている。

 CNPC経済技術研究院が発表した『2018年国内外石油ガス産業発展報告』によると、地方民営企業の大型石油化学事業が相次いで操業を開始しており、2019年の原油常減圧精製能力は3,200万トン/年の純増になり、全国の総製油能力は8.63億トンに達する。そして、過剰生産能力は約1.2億トン/年に上昇し、前年同期に比べおよそ3分の1拡大する。

 また、外資の石油製品小売市場への参入に伴って、中国国内の石油製品市場の競争はさらに激化する。石油製品の輸出を強化することは国内の生産能力過剰を緩和する有効な方途の1つになろう。

 2016年に地方製油所が石油製品輸出に参加したが、同年の輸出枠履行率はわずか49.66%に止まった。2017年以降は地方製油所は輸出枠と無縁であった。地方製油所が輸出枠リストにいつ復帰するかは依然として未知数である。

 (国際石油網 8月16日)