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東華能源と広東省茂名市が水素エネルギー産業チェーン構築を計画 総投資額400億元 (19/08/21)
2019/8/21
中国【新エネルギー】

 中国のLPGリーディングカンパニーである東華能源は茂名市人民政府及び広東省金輝新材料株式投資センターと「戦略協力協定」に調印したと発表した。大湾区水素エネルギー産業チェーンを共同で創出する。プロパン資源総合利用事業の投資と建設を進め、総投資額は約400億元になる。

 東華能源証券部の関係者は「弊社は質の高いクリーンエネルギーのサプライヤーになるとともに世界最大のポリオレフィン新材料生産企業になることが目標だ。環境配慮型の新エネルギーと新材料の産業チェーンを形成する。上掲の事業の逐次稼動に伴い、弊社はアルカン資源高付加価値加工を中核とし、新材料の研究開発と普及を指針として、上流と下流が一体となる新しい産業構造を形成する」と述べた。

 東華能源の発表によると、同社と茂名市はグリーン化学工業を基盤として、大湾区水素エネルギー産業チェーンを共同で創出する。同事業は輸入する高純度プロパンを利用し、世界先進の技術と装置を採用して、第1期では5万トン級の液化ハイドロカーボン専用埠頭と倉庫エリア、PDH装置2組、PP装置3組を建設する。総投資額は約140億元になる。第2期はPDH装置2組、PP装置3組を建設し、総投資額は約100億元。第3期は4組のPDH装置の副産物のエタンガスと一部のプロパン又はブタンを利用するエチレン装置、ブタジエン装置及びポリエチレン装置を建設する。総投資額は約160億元になる。

 同時に双方は水素エネルギー総合利用産業チェーンに向けて研究を展開し、世界一流の技術を導入して、水素エネルギー産業の発展と応用を推進する。また、広東省水素エネルギー回廊と連携して、茂名市及び周辺地区で水素ガスの販売、水素サービスステーション及びLPG充填ステーションの建設と経営を展開する。

 前出の東華能源証券部の関係者によると、広東・香港・マカオ大湾区を擁し極めて大きなポテンシャルを備える茂名市は未来の発展方向を水素エネルギーの利用と新材料の開発に集中させることになる。一方、東華能源はプロパン脱水素から派生する質の高い水素ガスを大量に産出し、水素エネルギーの応用や新材料の研究開発でブレークスルーを模索している。東華能源の産業面の方向性と茂名市の発展の方向性は期せずして合致しているのである。

 今回の約400億元の大型投資については、双方は産業基金の形式により茂名浜海新区プロパン総合利用事業の投資と建設を進めることになる。

 匿名のアナリストは取材に対し、「グローバルな構造から見ると、米国と中東の2大資源センターは主要なLPG輸出地であり、一方、中国はLPGを一定程度輸入に依存している。米中貿易摩擦の緩和に伴って、輸入LPGに転機が訪れる見込みだ。東方能源は中国のLPG貿易のリーディングカンパニーであり、恩恵を受けると期待される」と述べた。

 (人民網 8月21日)