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【エネルギー全般・政治経済】

李克強首相「先進的蓄エネルギーや水素エネルギー等の商業化の道筋を模索せよ」国家能源委員会会議で (19/10/11)
2019/10/11
中国【エネルギー全般・政治経済】

 10月11日、国家能源委員会主任を兼ねる李克強首相は国家能源委員会会議を主宰し、エネルギーセキュリティの新戦略をより一層具体化するよう研究を進め、エネルギーの質の高い発展を推進する実施意見を策定することにした。

 李克強首相は次のように述べた。近年、中国はエネルギーの発展において新たな成果を遂げ、経済と社会の発展基盤を支えている。しかし、中国は依然として発展途上国であり、現代化を推進する上でエネルギー供給の保障は長期的な戦略任務になる。国際エネルギー需給構造の高度の調整やエネルギー分野の新たな情勢と新たなチャレンジに直面する中で、習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想を指針として堅持し、共産党中央と国務院の部署を貫徹して、エネルギーの消費、供給、技術、体制の革命並びに国際協力を推進することが必須である。

 李克強首相は次のように指摘した。

  • エネルギー供給を多元的に発展させ、エネルギーセキュリティ水準を高める。
  • 石炭開発を科学的に計画し、石炭輸送と送電の大型ルートの建設を加速する。石炭の安全で低公害の採掘と石炭火力発電のクリーンで高効率の発展を推進する。炭層ガスの有効な開発と利用を進める。
  • 国内の石油・天然ガス探査開発を強化し、確認埋蔵量と生産量の増加を促進して、石油・天然ガスの自給能力を高める。開放的、ウィンウィンで多元的な石油・天然ガス国際協力を深める。石油・天然ガスの安全備蓄能力と緊急保障能力を増強する。
  • 水力発電、風力発電、太陽光発電等の再生可能エネルギーを発展させ、クリーン・エネルギー電力の受入水準を高める。

 また、エネルギー消費の面では、李克強首相はエネルギー消費大国である中国の省エネポテンシャルは巨大であるとして、次のような指針を示した。

  • 重化学工業、交通、建築等の重点分野の省エネに向けた改造を大いに推進し、汎用設備のエネルギー効率の向上を促進する。
  • 末端エネルギーで電力の比重を引き上げ、鉄道の「石油から電力への転換」を促進する。「港口岸電(入港船舶への陸上からの電力供給)」と「空港陸電(空港の設備や車両の電化)」に向けた改造を実施する。
  • グリーンライフスタイルと消費文化を唱導し、省エネ製品の応用を広げる。

 さらに李克強首相は次のように指摘した。

  • 技術革新とともに体制・メカニズムの革新はエネルギーの質の高い発展にとって重要な推進力である。エネルギー開発利用のキーテクノロジーと重要装備の研究を加速しなければならない。先進的蓄エネルギーや水素エネルギー等の商業化の道筋を模索し、インターネットの発展に依拠してエネルギーの新産業、新業態、新モデルを発展させる。
  • エネルギー分野の市場化改革を徹底する。石油ガス探査開発とパイプライン網、LNGターミナル、ガス貯蔵・ピーク調整施設の投資や配電業務市場への参入規制を緩和して、各種民間資本の積極的な参画を奨励する。
  • 市場がエネルギー価格を決定する仕組みの確立を推進する。
  • エネルギー市場監督管理を最適化する。

 (中国蓄能網 10月11日)