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【石油・天然ガス】

中国のLNG受入能力はなお拡大が必要 (19/12/02)
2019/12/2
中国【石油・天然ガス】

 「現時点で中国には22ヵ所のLNGターミナルがほぼ完成しており、受入能力は年間9,000万トン、ガス化能力は3.67億m3/日になる。しかしながら、中国のLNGターミナルの発展は依然チャレンジに直面している。第1に配置がアンバランスであり、全体的に見ると、南部は多いが北部は少ない。第2にターミナルの規模が小さく、ピーク調整能力の不足が深刻である」。第3回中国LNG貯蔵輸送技術交流大会において中国石油規画総院の韓景寛院長が指摘した。

 近年、天然ガスはエネルギー転換においてますます重要な役割を発揮しており、産業は急速に発展している。2018年の中国のLNG輸入量は5,300万トンを超え、天然ガス総輸入量の60%を占めた。LNGターミナルの建設は中国の天然ガス産業発展の重要な一環である。

 シノペック科学技術部副主任の顧松園氏によると、シノペックは2014年以降、青島、北海、天津に相次いで3ヵ所のLNGターミナルを建設した。受入能力は合計1,800万トン/年になる。しかしながら、中国のLNGターミナル全体の受入能力はLNGの急速な発展のニーズを満たせていない。既存のターミナルの集約化レベルは全体的に不十分であり、1バース当たりの平均受入能力は国際先進水準との間に比較的大きな格差がある。中国の天然ガス需給予測に基づくと、現行のLNG受入能力では2023年以降に不足が表れ始める。

 「マーケットから見ると、華北地区のLNGターミナルはほぼフル稼動状態にあり、さらなる能力拡張が必要だ。長江沿線のLNG受入能力は脆弱であり、すでにリソースの不足が発生している。華南地区のLNG受入能力は未だ十分に発揮出来ていない。シノペックは今後LNG受入能力をより一層拡張し、ガス化能力を4,500万m3/日に増やす。北海第2期事業は2020年6月の着工を予定している。青島第2期事業は2021年6月に完成する見通しだ」と顧松園氏は言う。

 中国海洋石油は引き続きインフラ配置を強化して、LNG供給能力を高める。天津LNGターミナルでは浮体式LNG貯蔵・ガス化船を賃借して、ガス化能力を1,400万m3/日に増やす。また、LNGターミナルの増設と拡張をさらに進め、ガス貯蔵とピーク調整能力を拡大する。漳州LNG、江蘇LNG、天津LNG第2期、龍口LNG、煙台西港LNG、浙江LNG第3期等の事業建設を推進して、未来のガス貯蔵能力の向上のため基礎を固める。

 中国海洋石油はインフラ建設を加速するため、産業チェーンの上流・下流企業と共同でターミナルの建設を進める。例えば、完成済みの海南LNGターミナルの一部の株式を利用して海南省の下流の末端企業を引き入れ、共同事業体を組織してターミナルの株式を共有するとともに、ターミナルを共同で使用し、海外資源を共同で調達し、下流の新規市場を共同で育成する。

 業界関係者の多くが指摘するところでは、ターミナルを第三者に公平に開放せよとの国からの政策要請に前向きに呼応して、ターミナル共有のプラットフォームを構築しなければならない。統一的な標準によってLNGターミナルの回転率を高め、LNG輸入への参入のハードルと中間コストを引き下げ、市場参加の積極性をより一層喚起しなければならない。

 (中国能源報 12月2日)