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中国
【新エネルギー】

食糧を犠牲にしてエネルギーセキュリティを確保することは決してしない…農業部長 (08/05/08)
2008/5/9
中国【新エネルギー】

 最近、国際市場において食糧価格が大幅に上昇しているが、世論は一般にバイオマスエネルギーの急成長が自動車と貧困層との食糧の奪い合いをもたらしていると見ており、中国が今後どのようにしてバイオマスエネルギーを開発していくのかが注目の的になっている。

 こうした中、孫政才農業部長は、少なからぬ人々はバイオ燃料の生産停止さえ主張しているが、こうしたバイオマスエネルギーの開発と昨今の食糧価格の高騰や供給逼迫との関係といった問題については重視に値すると指摘した上で、エネルギーのセキュリティと食糧のセキュリティはいずれも人類の直面する2大問題であり、中国は食糧のセキュリティを犠牲にしてエネルギーセキュリティを確保することは決してしないと表明した。

 そして、孫部長は、中国の特色あるバイオマスエネルギー開発の道を歩むべきであり、「人と食糧を争わず、食糧と土地を争わない」ことを原則として、トウモロコシや油料作物を使用するバイオ燃料の生産は厳重に規制しなければならないとした。

 孫部長は、ソフトバイオマス、畜糞等の廃棄物を活用し、農村のメタン発酵ガスや、ソフトバイオマスのガス化、固形化の開発に力を入れて、化石エネルギーからの代替を進めつつ、ソフトバイオマスの使用やエネルギー作物の適度の開発によるバイオ燃料生産を堅持すべきであると提唱する。

 なお、中国では年間7億トン近いソフトバイオマスが発生し、畜糞は30億トン、農村の生活ゴミは3.6億トンに上り、開発の余地は大きい。昨年末の時点で、メタン発酵ガスは年産102億m3に上った。標準炭に換算すると1,600万tceに相当し、二酸化炭素4,400万トン余りを削減したことになる。

 (中国能源網 5月8日)