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中国
【電力】

インフレと電力不足の板挟み 今夏は深刻な電力不足の恐れ (08/06/02)
2008/6/3
中国【電力】

 電気料金の値上げがいつ解禁になるかスケジュールは全く決まっていないが、石炭価格の高騰が続く中、電力企業は発電を中止しない限り赤字が増える状況になっている。夏季の電力使用のピークも近づいており、もし電力企業が発電しないなら、あるいは発電に前向きになれないなら、今年の夏は電力パニック発生の可能性が高まる。

 発電所の今年の石炭契約価格は前年比10%以上の上昇となっているが、政府は消費者物価の上昇を懸念して、電気料金の値上げを遅々として承認しようとはしない。中国電力の李小琳主席によると、今年4月期は、中国五大電力集団のうち、華能集団を除く全てが大幅な赤字になっており、電力集団は発展改革委員会に状況を報告して、石炭価格と電気料金の連動を発動するよう求めている。

 実際、電力業界筋は、夏季の電力使用のピークには深刻な電力不足が発生すると予想している。中国電力の趙新炎副総裁によると、全国の電力供給の95%以上を国有発電企業が占め、うち五大集団が5割を占めている。大型国有企業は収益が極度に低下しても電力供給を続けることは出来るが、規模の小さい発電所は、石炭価格が高騰する中にあっては、石炭を購入する資力すらない。

 なお、今年第1四半期、中国の電力業界は全体的に赤字に陥り、最大の発電企業である華能国際は8割近い減益となり、華電国際電力は92%の減益となった。

 国家電力監督管理委員会は、発電企業の資金繰りの圧力を緩和するため、発電企業と電力網企業の決済に対する監督管理を強化するとの通達を出した。電力代金決済の手続きと方式について詳細な規定を行ったのは、今回が初めてである。同通達には、発電企業の月毎の売電代金は翌月末日までに全て決済しなければならないと規定されている。また、電力代金を分割決済する場合の詳細な規定についても設けている。

 (鳳凰財経 6月2日)