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【電力】

電気料金値上げと発電用石炭価格干渉措置 その背景と内容 (08/06/19)
2008/6/20
中国【電力】

 19日、国家発展改革委員会(NDRC)は電気料金の値上げを決定した。7月1日から、全国の小売電気料金は1kWh当たり平均0.025元引き上げられる。また、発電用石炭価格に対して臨時干渉措置が適用されることになった。今回の措置の背景や内容について、発展改革委員会の担当者に話を聞いた。

 記者:今回の電気料金値上げの背景は?

 回答:この2年、電力企業のコスト増の要因が増えている。第1に、発電用石炭価格が大幅上昇を続け、発電企業は軒並み赤字になっている。第2に、脱硫コストが増えている。2007年と2008年には合計2億kW余りの石炭火力発電ユニットに排煙脱硫設備を設置したため、売電価格を1kWhにつき0.015元引き上げることが必要になった。第3に、送配電能力を高めるため、電力系統企業は第11次5ヵ年規画期に投資を年間3,000億元増やしている。この他にも、風力発電やバイオマス発電の開発を奨励するため、再生可能エネルギー電力価格賦課金を引き上げることも必要である。今回の電気料金値上げは、電力供給を確保するとともに、省エネを促進する上でも有効だ。

 記者:今回の電気料金値上げのポイントは?

 回答:全国の小売電気料金を1kWh当たり平均0.025元引き上げ、平均で4.7%の値上げになる。都市・農村住民の民生用電力や農業、化学肥料生産用の電気料金は値上げしない。四川、陝西、甘粛で地震の被害を受けた県・市の電気料金も値上げしない。一方、都市・農村同一料金や工商業同一料金の推進、電圧等級による差別価格の調整など、電力網の小売電力価格構造の見直しも進める。

 記者:発電用石炭価格臨時干渉措置はなぜ必要か?

 回答:今年に入ってから発電用石炭価格の大幅な高騰が続き、発電用石炭供給は依然タイトだ。今後も一定の間、石炭価格の上昇傾向が続くだろう。石炭と電力価格の連鎖的上昇を防止するため、「価格法」の規定に従い、発電用石炭に対して臨時価格干渉措置を適用することにした。

 記者:措置の具体的な内容は?措置の実効性を担保する方法は?

 回答:今回の措置では、発電用石炭価格に対して主に価格上限措置を取る。つまり、全国の石炭生産企業の発電用石炭は、重点契約であれ、非重点契約であれ、その出荷価格は、2008年6月19日の実際の決済価格が上限になる。価格干渉措置の期間中、石炭生産企業の発電用石炭出荷価格はいずれもこの上限価格を上回ってはならない。また、非重点契約発電用石炭の市場販売価格を安定させるため、省クラス政府の価格部局は差額率限定等の措置を取って、流通過程の費用を規制する。この価格干渉措置の実効性を確保するためには、第1に、発展改革委員会が監督検査を強化し、全国石炭価格調査を速やかに展開する。第2に、世論による監督を活用する。石炭値上げに関する石炭需要家からの通報はすべて確認を取り、厳重な摘発と処分を行う。価格干渉措置違反事件の典型的なケースについては、メディアで公表する。

 (国家発展改革委員会ウェブサイト 6月19日)