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【石油・天然ガス】

CNPCの西部パイプライン完成 西南地区の石油供給が拡大 (2007/08/28)
2007/11/22
中国【石油・天然ガス】

 中国石油天然ガス(CNPC)のオフィシャルサイトは27日、西部石油パイプラインの支線7本がすべて完成したと公表したが、同社の広報部門が「第一財経日報」紙に明かしたところによると、西部パイプラインによって輸送される石油製品と原油は、将来主として西南部地区に供給されることになる。

 西南部地区、中でも四川省には未だ大きな精油所がない。西部パイプラインを成都−蘭州石油製品パイプラインに連携することによって、蘭州に到着した石油製品を成都に送ることが可能になる。つまり、西部石油製品パイプラインの完成により、克拉瑪依石化、独山子石化、ウルムチ石化、玉門煉化等で生産された石油製品をパイプラインによって四川省に送って、西南3省に供給できるようになり、輸送コストは従来の鉄道輸送に比べ大幅に下がる。

 また、CNPCは四川省に1,000万トンクラスの大型精油所を建設するよう計画しており、現在発展改革委員会の認可を待っている。この精油所プロジェクトが認可されると、将来中国−カザフスタン原油パイプラインと連携する西部パイプラインを、さらに四川省まで延長する可能性も出てくる。すなわち、新疆とカザフスタンの原油が四川省の大型精油所に送られ、西南部地区の石油不足の現状が根本的に改められると期待される。

 一方、東部地区の広東と上海は石油製品と原油の最大の消費市場であるが、西部パイプラインによる送油にはコストの高さがネックになる。輸送コストは、海運が最も安く、次いでパイプライン、鉄道、道路の順となるが、新疆の原油をパイプラインによって上海や広州に輸送しても、海運よりもはるかにコストがかかり、採算に合わないのである。しかも、上海や広東にはCNPCの高橋石化や茂名煉廠があり、地元で石油製品を供給することが可能である。

 こうしたところから、西部パイプラインによって輸送される石油製品と原油の主要供給先は、西南地区になる可能性が高い。

(第一財経日報 8月28日)