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【新エネルギー】

中信資源が100億ドルで豪炭層ガス資産買収か (08/07/25)
2008/7/28
中国【新エネルギー】

 中信資源(CITICリソーシズ)が最高100億ドルでオーストラリアのエネルギー企業Origin Energy Ltd.の炭層ガス資産を買収する可能性が浮上したが、株式市場は巨額の買収によって中信資源の財務負担が拡大することを懸念している。

 Origin Energyが今回の炭層ガス資産譲渡を検討しているのは、英BGグループによる131億ドルの敵対的買収に対抗するためであり、今月初め、買い手候補に対し炭層ガス資産の譲渡について打診したが、中信資源もその対象になっていた。但し、Origin Energyが中信資源やその他の企業に資産を譲渡するかどうかは株主の意向次第。

 Origin Energyの炭層ガス資産買収価格は60〜100億ドルになると見込まれるが、原油高が進む中、炭層ガス等の代替エネルギーはますます大きな注目を集めており、石油・天然ガス企業もまた、エネルギーの多元化を進めて、在来型石油分野に対する依存を減らそうとしている。

 しかし、中信資源が100億ドルも出資することになれば、中信資源の財務負担が重くなることが懸念される。現在、中信資源の時価総額は179.6億香港ドル、米ドル換算で約23億ドルに過ぎない。また、中信資源の負債率は124%に達し、銀行等の借入残高は19.6億香港ドル、債券発行高は76.3億ドルに上る。中信資源はオーストラリアの炭鉱、酸化アルミニウム及び鉄鉱石、中国のマンガン鉱、インドネシアのナフサ、さらにカザフスタンの油田等への投資を行なっており、今月中旬にはオーストラリアのMacarthur Coal(MCC.ASX)に対する持ち株比率を17.66%から20.39%に増やして、筆頭株主になったばかりである。中信資源の今後の業績は買収の資金調達問題をいかに解決するかにかかっているだろう。

 (21世紀経済報道 7月25日)