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中国のバイオディーゼル 投資ブームも原料不足で低い稼働率…China Ventureのレポート (08/09/19)
2008/9/22
中国【新エネルギー】

 19日、ChinaVenture投中集団は「2008年中国バイオディーゼル産業投資価値研究報告」と題するレポートを発表した。

 同レポートによると、中国のバイオディーゼル産業は投資ブームを迎えており、バイオディーゼル年産能力は300万トンに上る。しかし、原料の不足や価格高騰のため、2007年の生産量はわずか30万トンであり、生産能力の多くは停止状態にあり、稼働率は10%に過ぎない。

 ChinaVentureは、中国のバイオディーゼル産業は、原料の制約、販路の不足、支援政策の欠如という3つの問題に直面している。原料の制約とは、価格が安く量的にも十分な原料が不足しているということであり、販路の不足とは、民営企業のバイオディーゼルが国有のサービスステーションに参入できないということである。また、石油製品価格統制の下で、バイオディーゼル産業に対する支援策は乏しい。

 中国のバイオディーゼル産業には、民営企業、大手国有企業や外資企業が参入しているが、主力は民営企業。大手国有企業や外資企業は現在、原料林基地や工場の建設を進めているが、商業運営に入っている事業は少ない。資金、技術、マネジメントに優れる米国、英国、オーストリア等のエネルギーメジャーは中国のバイオディーゼル市場開拓に前向きであり、今後、中国のバイオディーゼル企業にとって手ごわい競争相手になるだろう。

 ChinaVentureは、バイオディーゼル事業の投資に当たっては、次の2点に注意すべきであると提言している。原料が政府の政策規定に適合しているどうかという点と企業への原料供給が十分かどうかという点。また、政策の変化も要注意である。ChinaVentureによると、中国政府はエネルギー産業に対して強力な統制を維持しており、バイオディーゼルもその例外ではない。短期的には、石油製品価格の調整を通してバイオディーゼル産業にも政策的な影響が及ぶ。長期的には、中国石油天然ガス集団(CNPC)、中国石油化工(SINOPEC)等の大手国有企業のバイオディーゼルプロジェクトが完成すると、政府は、課税、助成金、強制的な混合などバイオディーゼル企業にとって有利な支援政策を打ち出す可能性が高まる。

 (上海証券報 9月22日)