1. HOME
  2. 中国 【電力】

中国
【電力】

広東省が電気料金値上げ 下半期の電力不足に対応 (08/09/27)
2008/9/30
中国【電力】

 広東省物価局は先頃「石炭火力発電ユニット売電価格に関する通達」を発し、既存の石炭火力発電ユニット(コージェネレーションユニットも含む)の売電価格を現行価格より税込みで0.025元/kWh引き上げることにした。深セン能源、広州ホールディングス、粤電等の電力会社は26日、値上げによる増収によってコスト圧力を一部緩和できると表明した。

 広東省電力事業の権威筋によると、中央政府の2回にわたる電気料金値上げにも関わらず、発電企業のコスト圧力は依然として大きい。広東省は2ヶ月前、全国初の「原子力発電特区」として、2020年までに原子力発電容量を2,400万kWとする目標を打ち出したが、当面の電力不足にはどうにもならない。建設中の嶺澳原子力発電所第2期216万kWの完成も2010年以降になる。広東省発展改革委員会によると、広東省はエネルギーの90%以上を省外からの移入や海外からの輸入に頼っており、しかも石炭火力発電は総電力設備容量の70%以上を占める。今回、広東省が電気料金の値上げに踏み切ったのは、電力企業の保護と電力供給の確保が目的である。

 石炭の需給ギャップにより、国有大手発電企業も赤字になる中、中小発電企業はさらに大きな苦難に喘いでいる。広東は小型発電ユニットが多く、発電事業の赤字は巨額に上る。その上、今年は大雪災害や台風によって、広東の電力供給はますます厳しくなった。

 広東省の重油火力ユニットや小型火力発電企業も国家発展改革委員会の「閉鎖」対象となっているが、こうしたユニットは依然100万kWの電力を広東に供給することが可能であり、電力不足に直面する広東省がこれらユニットを閉鎖するのは現実的ではない。実際、広東省政府は今年上半期、10万kW以下の重油火力ユニットや小型火力発電企業に補助金を給付し、今月まで給付措置を続けることが確定しているが、今後、そうした助成措置を継続するかどうかは未知数である。

 (南方都市報 9月27日)