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【電力】

中国 1〜3月の発電量が若干回復も経済成長基盤は依然脆弱 (09/03/24)
2009/3/26
中国【電力】

 国家電力指令センターの統計によると、中国の3月上旬の1日当たり平均発電量は93.7億kWhで、前年同期比1.4%増になった。2ヶ月連続の増加にはなったが、3月中旬は微減になった。中国電力企業聯合会スポークスマンの王永幹秘書長は、このことは経済成長と電力の伸びの基盤が依然脆弱であることを意味しているとした。

 一方、アモイ大学中国能源研究センターの林伯強主任は、発電量にプラス成長が発生しているのは、4兆元の経済刺激策やエネルギー多消費産業の在庫減少に関連していると指摘する。

 非鉄金属、化学、建材などの4大エネルギー多消費産業は、発電量、電力使用量の急成長にとって主要な牽引力である。2008年の中国の工業用電力使用量は2兆5,495億kWhで、前年比3.65%増になったが、工業用電力の増加分の全社会電力使用量に対する寄与度は前年よりも比27.93ポイント低い52.71%に落ちた。王永幹氏によると、中西部地区はエネルギー多消費産業を主とする経済構造であり、より直接的で速やかな影響を受けるため、低下の幅も激しいものになる。特に西北地区のようにエネルギー多消費産業が集中し、産業構造が単一的な地区は電力の低下幅が最も大きいものになっている。こうした傾向は2009年も続き、発電量の持続的な上昇を牽引するには4大エネルギー多消費産業の回復を待つしかない。

 結局、発電量には好転の兆しはあるものの、決して好転しているわけではないと、王永幹氏言う。また、中信証券首席マクロアナリストの諸建芳氏も、発電量が前年同期比1.4%上昇したことは確かに好転ではあるが、しかし決して強固なものではなく、また、発電量の回復は予想よりも低い結果に終わったと指摘している。

 (毎日経済新聞 3月24日)