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【電力】

石炭供給不足のため中国各地で電力供給制限 (10/12/20)
2010/12/22
中国【電力】

 寒波の襲来で連日気温が下がり、中国の多くの地区で大雪災害が発生する中、火力発電所の石炭消費が急増している。一部地区では発電所の石炭在庫が急減して、電力供給制限措置を取るケースも生じている。

 河南省は石炭生産省でありながら、火力発電所の40%は石炭在庫が3日分にも足りない。河南電力が策定した冬季の石炭在庫の保証ラインは350万トンであるが、現在の在庫はそれよりも100万トン少ない250万トン余りでしかない。河南の一部地区では電力制限を行っている。今年冬の河南の最大電力使用負荷は昨年よりも395万kW多い3,550万kWになると予想される。河南の目下の電力逼迫は、基本的に石炭供給不足によるものである。

 湖北省も同じ状況にある。経済回復と季節的要因が重なって、湖北の発電用石炭在庫は急を告げている。湖北電網の電力使用負荷は1,900万kW以上に上昇し、1日につき平均5〜6万トンの石炭在庫を切り崩している。湖北省の全発電所14ヵ所の石炭在庫は、9月末には370万トンであったが、この2日間で180万トン弱にまで急減した。これはわずか12日分でしかない。湖北省の石炭在庫の警戒ラインは10日分である。一部の発電所はすでに石炭不足による運転停止の危機の直面している。一部の大型発電所の在庫は7日分しかない。電力供給制限は未だ行っていないものの、発電用石炭の不足に加え、水力発電も渇水期に入って出力が低下している。また、三峡ダムの貯水も水力発電に一定の影響を及ぼしている。この冬から来春にかけて、湖北の石炭と電力の供給は一層逼迫するだろう。

 同じような状況は。陝西、山西、重慶、貴州でも生じている。

 江蘇省では12月15日に気温が0度以下に下がり、電力使用負荷は5,160万kW前後に達した。17日から気温は上昇し、電力使用負荷は緩和を見たが、江蘇省は資源が不足し、発電用石炭は省外からの移入に頼っている。加えて、江蘇省の都市には北方のようなスチームがなく、冬季の暖房は主に電力に頼っていいる。そのため、例年、気温が0度以下になると、江蘇省の電力使用はピークになるのである。

 (北京日報 12月20日)