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【電力】

第12次5ヵ年規画期のスマートグリッド投資は2兆元近くに (10/10/14)
2010/10/14
中国【電力】

 国家電網筋によると、向こう10年内にスマートグリッドへの年間平均投資額は約3,000億元になる。一方、業界の専門家の見方では、国家電網の投資は10倍から100倍の波及効果を生む。国家電網のスマートグリッド計画綱要によると、スマートグリッドの波及範囲は相当幅広く、新材料、電力・電子デバイス、電池、新エネルギー発電、鉄鋼、通信設備、スマート家電、EV、スマートリビングなどに及び、スマート都市、スマート交通など新たな産業をも生み出す。2009年と2010年はスマートグリッドの「計画試験段階」であり、計画と標準の制定が主要任務になる。そして、2011〜2015年はスマートグリッドの「全面的建設段階」になり、同時期の投資額は2兆元近くに達する。

 中国のスマートグリッド関連計画は目下立案中であるが、地方政府はすでに先を争っている。5月に江蘇省は《スマートグリッド産業発展専門計画綱要(1009〜2010年)》を策定し、上海も《スマートグリッド産業発展推進行動方案(2010〜2020年)》を打ち出した。山東、河北、浙江等も相次いでスマートグリッド発展計画の立案をスタートさせている。

 国家電力監督管理委員会の王野平副主席によると、スマートグリッドによって最も大きな恩恵を受けるのは新エネルギー発電である。近日制定される《新エネルギー産業戦略規画》において、風力発電、太陽エネルギー等の新エネルギー発電の目標値は大きく上方修正され、風力発電は1億kWh、太陽エネルギーは2,000万kWになる。中投顧問公司のエネルギー産業首席研究員である姜謙氏は、風力発電産業だけでも投資額は1兆元を超えると見ている。

 電気自動車もスマートグリッドによって大きな恩恵を受ける。北京電力公司の朱長林総経理(社長)の見方によると、電気自動車の保有台数は、スマートグリッド関連技術に推進される形で3,000万台に達する。1台5万元で試算すると、少なくとも5兆元の経済効果をもたらす。

 中国電力科学院電工研究所の肖立業所長は「30年後には中国のスマートグリッドの計画と建設によって40兆元のGDPがもたらされる。スマートグリッドの建設は、中国経済を内需システムに転換する戦略的チャンスになり、上流、下流の100種類近くの産業分野の革新と発展に波及する」との考えを示す。
スマートグリッドは第12次5ヵ年規画における電力系統建設の主要課題であり、同期間において中国の電力系統への投資は1.5兆元に達する。その他に、超高電圧送電線の建設投資が約4,000億元になる。スマートグリッドの発展は、技術と管理標準の制定段階からモデルプロジェクトの建設段階へと進むだろう。

 (中国電力新聞網 10月14日)