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中国
【新エネルギー】

内需市場を急ぎ開拓して新エネルギーを救え (11/12/28)
2012/1/6
中国【新エネルギー】

 中国の新エネルギー研究機関は、風力発電、ソーラー発電、バイオマス発電のコストが在来型発電よりも依然として高く、再生可能エネルギー発電規模の拡大に伴って政府の補助金も上昇し、最終的には負担に耐えられなくなると警告している。また、電力グリッドの建設は再生可能エネルギー産業の発展よりも遅く、新エネルギー発電の系統連系規模が拡大すると、電力グリッドの負担が増えることになる。これまで業界が第12次5ヵ年規画期の新エネルギー発展目標の上方修正に慎重だったのはそのためである。加えて、欧米諸国からの反ダンピング提訴を受けて、中国の産業チェーンは四面楚歌に直面し、中国政府は内需市場を急ぎ開拓することで新エネルギーを救うことを迫られている。

 国家能源局が発表した最新の再生可能エネルギー第12次5ヵ年規画目標は、2015年にはソーラー発電設備容量を従来の目標より50%高い150億kWとしている。ソーラー業界関係者によると、中国政府が第12次5ヵ年規画期のソーラー発電設備目標を引き上げたのは、中国のソーラー産業が欧米の反ダンピング調査や提訴に直面しているからであり、インドがこれに追随する可能性もある。今後の国際市場からの圧力を懸念する業界は、生産が委縮しないよう、サプライチェーンの行き場を作るため、中国政府に対して内需市場の急速な開拓を呼びかけている。中国国内の2012年のソーラー市場には50億kWの潜在需要があると見込まれるが、外国のソーラー業者はコスト競争や自国産業保護の影響で中国の内需のパイに与ることは難しい。

 また、英利集団の首席戦略官である馬学禄氏によると、中国の電力構造は相対的に分散しており、今なお1,000〜2,000万の電気未利用人口を抱えている。これら地区の送電系統と発電系統の投資の比率は1:1に達し、相当の巨費を要する。そのため、ソーラー発電や風力・太陽光ハイブリッド発電モデルは有効な問題解決方法になる。

 (中国能源網 12月28日)