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【新エネルギー】

シェルが次世代バイオマス燃油の開発を模索 (2007/11/26)
2007/11/29
中国【新エネルギー】

シェルは、オイルサンドやオイルシェールなど非在来型資源から石油を精製する方法を模索して代替石油燃料を模索しているが、それ以外にも、次世代バイオマス燃油の開発を試みている。

 GTL燃料(天然ガスから作った石油製品)はシェルが開発している代替燃油製品である。GTLは既存のサービス・ステーションによって給油することができ、従来のディーゼルエンジンに改造なしでそのまま使用することができる。カタールのGTL工場が2010年末に稼働を開始すると、シェルはGTL燃油と潤滑油を大量生産する世界初のメーカーとなる。

 上海では6ヶ月間にわたって、ユーロ2型の乗合バスにシェルのGTLを使用する実地試験が行われたが、その結果、シェルのGTL燃油は、従来のユーロ2軽油に比べ、顆粒物を35%、窒素酸化物を15%、一酸化炭素を13%、二酸化炭素を4%減少させることが明らかにになった。GTL燃油は大都市の公共交通の石油代替燃料として最適であることが証明されたのである。

 次世代バイオマス燃油は農業廃棄物や多種の繊維質を含む材質を原料とする。穀物を原料にしないので、食糧との両立が可能である。先週、シェルは、Codexisと5年間の共同研究を開始することで合意に達したと発表した。新型のスーパー酵素を共同開発して、バイオマス原料を高性能の燃油製品に転換するのである。また、シェルはカナダのIogen社並びにドイツのCHOREN工業と提携し、規模の整った商用化工場と世界初のモデル工場を建設することにした。モデル工場は今年中に完成する予定である。

 シェルが目下開発している第3の燃油は水素エネルギーである。シェルは最近GMとの提携を進めており、自動車用水素燃料の生産、販売、使用過程において直面する課題を把握しようとしている。

 シェルの上海における最初の水素補給ステーションはすでに稼働を開始しており、燃料電池を使用する乗用車やバスに水素を補給している。燃料電池車はCO2の排出を大幅に引き下げることができ、排気ガスもほとんどゼロである。現地の大気環境が顕著に改善されることが期待できる。

 シェルの潤滑油事業部門副CEOのDavid Pirretは、「我々が直面している最大の問題はCO2の排出が気候変動に与える影響だ。シェルが目下開発している代替燃油製品はCO2の削減に役立つが、持続可能な交通を実現するためには、個人の努力だけでなく、集団全体の協調一致が必要だ。つまり、企業、政府から毎日自動車を運転するカー・オーナーに到るまで、あらゆる利害関係者がパートナーシップを結ぶことだ」と述べた。

 (中国経済網 11月26日)