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中国
【電力】

高速発展期を迎える特高圧電力グリッド (12/03/28)
2012/4/13
中国【電力】

 いかなる経済活動であっても、電力と切り離すことは出来ない。中東部地区は中国で最も経済が発達している地区であり、電力需要は極めて大きい。しかし、中国の電力の80%は石炭に由来しているが、石炭の76%は北部と西北部に分布し、一方、需要の70%は中東部にある。そのため物流コストは膨大なものになり、輸送過程において環境汚染ももたらされる。

 そうしたところから、中央政府も発電方式の転換を検討し、風力発電や太陽光発電などクリーン・エネルギーの発展が生じている。しかし、これらクリーン・エネルギーも石炭と同様に「輸送」問題に直面している。中国の陸上の風力、ソーラー資源の大多数は西北部に分布している。しかし、技術上の問題や体制的利益が原因で、風力やソーラーの大規模な系統連系は困難である。石炭輸送力の長期的な逼迫や風力発電の系統連系が依然困難であることから、特高圧電力グリッド建設の必要性はますます顕著になってきた。国家電網公司のデータによると、特高圧電力グリッドの建設によって中国の電力グリッドの送電能力を大幅に高めることが出来る。特高圧直流電力グリッドによって、現行の500kV直流電力グリッドの5〜6倍に相当する600万kWの電力を送ることが出来る。その上、送電距離は後者の2〜3倍であるため、効率は大幅に引き上げられる。また、国家電網公司の試算によると、同じ出力の電力を特高圧回線で送る場合、500kV超高圧回線に比べ土地資源を60%節約できる。

 (中商情報網 3月28日)