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【電力】

中国初のスマート・エコロジー火力発電所が稼動 (12/11/04)
2012/11/14
中国【電力】

 11月4日、華電莱州発電有限公司は中国初のスマート・エコロジー火力発電所を山東省莱州において稼動した。今回稼動した設備は100万kW、第1期プロジェクト2基の年間発電量は110億kWhになる。中国東部沿海地区の電力不足を補う上で効果は大きい。

 この発電事業は、中国華電が世界最先進の環境保護理念によって投資と建設を行った。発電所は海浜の塩・アルカリ土壌地に建設し、農地を占用することはない。残灰堆積場は廃坑を利用している。発電所への給水には海水淡水化技術と都市中間水を採用し、現地の淡水資源を使用しない。出力100万kWの発電ユニットは石炭消費が全国平均水準よりも1kWh当たり50g近く低く、標準炭換算で年間60万トンを節約し、二酸化炭素の排出を150万トン余り削減することが出来る。試運転中の各種経済指標はいずれも国内100万kWユニットの先進水準を上回っていた。

 環境保護の面でも、「ゼロ汚染・ゼロエミッション」を実現し、発電所内の汚水と廃水は処理を行った上で回収利用する。同発電所は2,000万元近くの資金を投じて循環水排水口に2台の800kW小型水力タービン発電機を取り付けている。これにより年間880万kWhの発電が可能である。

 莱州火力発電所は100万kW×8基の建設を計画しており、三次元デジタル化設計によって中国初のスマート化火力発電所を実現している。これは、設計から退役に到る全サイクルの情報の三次元化、可視化とオンライン制御を実現するものである。

 華電集団は莱州プロジェクトにおいて「電力と港湾の一体化・炭鉱から発電所への直接供給」というモデルを実施し、莱州を大型エネルギー基地として重点的に発展させている。第12次5ヵ年規画期末には、莱州エネルギー基地に400万kWの火力発電設備が建設されるとともに、風力発電設備は50万kWを突破する。また、埠頭の取扱量を1,000万トン、発電量を220億kWhとし、年産高は100億元を突破する。

 (新華網 11月4日)