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タイの沿岸地方クラビにおける政府の石炭火力発電所の建設計画は再度保留されることになった。これはプラユット・チャンオチャ首相が以前の「環境健康影響評価(EHIA)」を廃止し、これに近隣の地域社会の情報を追加して新たに作り替える指令をEGATに下したためである。
EGATによると、この新規EHIAの実施にはタイ南部地域で中途半端な状態になっている電力安定計画を撤回することが必要になるため、少なくとも1年半から2年間の時間を要するとのことである。しかし新規EHIAが完成・承認された場合でも発電所建設に対する反対運動が止まる見込みがないため、同事業は2年以上または無期限に延期される可能性がある不透明な状況となった。
これは投資家に対して電力不足の可能性を提起する内容なため、この地方への新規投資を阻む可能性がある。
同発電所建設地の南部地域では電力需要が年平均5%増で伸びており、その他エネルギー源で代替する選択肢が少ない。供給源として可能性が高いのは、燃料を石炭から天然ガスに転換するか、マレーシア等の近隣諸国からの電力輸入量を増やして対応することである。しかしいずれの選択も費用がかかる上に国外への依存度が高くなるデメリットがあるが、後者を選択する国民の声が多く集めている。タイの電源開発計画では、2026年までの電力消費量に占める輸入電力の比率を10〜15%に制限する目標値を設定している。現在の電力輸入量(主にラオスから)はすでに6.4%に達し、今後の需要に振り当てられる輸入枠はそう高くない。さらに、タイのエネルギー需要を満たすために周辺地域の他国に追加の電源施設の建設を要求する事態になってしまう。これまで各国と結んできた電力輸出入供給協定をより安定な長期契約に移行する必要があるが、これはタイの電力供給計画の最後の砦であるという認識である。
クラビ発電所の計画が廃案になった場合、電力不足が起こったときにはタイの中部から超高圧送電線で南部へ向けて送電することで対応することになる。この方策でも、およそ650MWの電源が南部に向けて送電できる。さらに現在は2020年稼働開始予定のPrachuap Khiri Khanからプーケットまで送電線の拡張が行われ、2024年稼働開始予定としてプーケットからSongkhla県のHat Yaiまで拡張される予定である。これらの合計によってさらに1,000MWの送電量増加が見込めるが、増加し続ける南部の電力需要に満足させることは難しい。
電力供給問題への最後の方策は、現在の石炭を燃料とする計画を天然ガスに転換することである。しかし、この方策では急速に枯渇していく国産ガスのみで供給を満たすことが困難で、輸入天然ガスを考えるしかない。一方、天然ガス(LNG)を受け入れるためのインフラ投資が求められ、燃料コストは価格変動に影響される。
(Bangkok Post 2017年4月24日)