フィナンシャルタイムズ6月26日付報道によると、トタルのPatrick Pouyanné CEOは、米中貿易戦争のエスカレーションによって、米国のLNG輸出拡大計画の展望に懸念が生じていると述べた。Pouyanné氏は、LNG輸出業者にとって米中貿易戦争は「非常に悪いニュースだ」と指摘した。米国ルイジアナ州のLNG輸出事業開発を進めようとしているオーストラリアのLNG Ltd.,は米中貿易戦争の影響で、購入意向を有する中国の買手との交渉が停滞に陥っている。

　米中貿易戦争は、米国のテキサス州とルイジアナ州のLNG輸出及び生産能力の拡大計画や、それに伴う数百億ドルの投資計画と数万人の雇用計画にも影を落としている。中国が掲げた追加関税対象の米国産品目リストにはLNGは含まれていないが、米国の輸出業者はLNGも近いうちに中国の追加関税になると憂慮している。

　世界の多数の諸国でLNG輸入が増えているが、成長の余地が最も大きいマーケットは依然として中国である。中国は昨年、韓国に代わり、日本に次ぐ世界第2位のLNG輸入国になった。中国のLNG輸入量は前年比42％増え、昨年の世界のLNG輸入の増加分の44％を占めた。

　（中国能源網 6月27日）