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【石油・天然ガス】

CNPCがイランLNG事業への投資を暫時停止か (18/12/18)
2018/12/18
中国【石油・天然ガス】

 中国石油天然ガス集団(CNPC)内部筋がロイターに明らかにしたところによると、同社はイランSouth Pars事業への投資をすでに一時的に停止している。内部筋は、米国方面がCNPCにイランへの資金提供をしないよう求めていると述べた。

 一方、イラン石油相は先月、CNPCが仏トタルに代わってSouth Pars事業への最大の投資家になっており、同油ガス田の運営権も所有すると表明していた。

 しかしながら、ロイターによると、イランはSouth Pars事業におけるCNPCの役割について120日がかりで審査するとともにCNPCを休眠投資家とするかもしくは同案件を撤回するかを決定する。

 2017年、CNPC並びにトタルはイラン国営石油とSouth Pars天然ガス田第11期事業を共同で開発することに合意し、トタルがオペレーターになって、50.1%の株式を保有し、残りはCNPCが30%、イランが19.9%保有することになった。

 South Pars事業によって中国の石油と天然ガス需給を緩和することが期待される。それほど重要であるにも関わらず、CNPCが突然同事業への投資を暫時停止したのにはいかなる原因があるのだろうか。外国メディアの分析によると、CNPCに米国方面から圧力がかかった可能性がある。

 12月2日、中国煙台杰瑞設備集団有限公司はイランとの協力を継続し米国のイランに対する禁令に違反したとして、米国から処罰を受けた。同公司はすでに米国と合意に達し、米国に280万ドルの罰金を支払う意向である。

 イランとの協力継続を理由に処罰を受けた企業が発生している以上、CNPCも必要のない損失を避けるため、South Pars事業への投資を暫時停止した模様である。

 米国の対イラン制裁については少なからぬ国から不満が上がっているものの、もしイランに連座することになれば、CNPCも一定の損失を被ることは間違いない。同時に(米中間の)経済貿易情勢も若干緩和されている状況で、CNPCとしても新たな問題を引き起こしたくはない。

 もっとも、CNPCはSouth Pars事業を放棄するとは言っておらず、今のところは暫時停止しただけである。将来的には投資を再開する可能性もある。

 (中国能源網 12月18日)