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中国
【新エネルギー】

中国の自動車用DME応用技術は今や世界先進水準 DMEバスに取り組む上海市 (2007/12/25)
2007/12/25
中国【新エネルギー】

 経済成長に伴って中国の石油消費は急拡大し、2006年の石油消費量は3.2億トンに達して、対外依存度は43%に上昇した。中国は石油の不足に直面するとともに、石油製品のクリーン化の課題にも直面している。中国は軽油消費大国でもあり、2006年の消費量は1.2億トンに達した。原油のほぼ40%が軽油生産用に当てられている。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べて石油節約効果が顕著であり、石油消費が20〜30%低い。そのため、ディーゼルエンジン用のクリーンな代用燃料を開発し、ディーゼル車の普及を進めることは、石油の安全保障や省エネ・排出削減の促進にとって有利である。

 DMEとエタノールはいずれも石油製品のクリーンな代替品となることが可能である。DMEはセタン価が55以上と高いので理想的な軽油の代替品となり、一方、エタノールはオクタン価が100以上になるので、ガソリンの理想的な代替品となる。

 DMEはディーゼルエンジン用燃料や民生用燃料として利用出来る。2006年5月、国家発展改革委員会(NDRC)副主任張国宝はDME産業発展座談会を開き、DMEの生産と配置に対して具体的な部署を行った。あれから1年、DMEの生産と応用は長足の発展を遂げ、民生用燃料の面でDMEは幅広く認知されるようになり、民生用燃料、特に天然ガスの需給ギャップを緩和する上で効果を上げている。自動車用燃料の面では、この1年以上にわたって、上海市経済委員会は上海柴油機(ディーゼル機)股フェン有限公司等の機関を設け、「産学研用」の態勢によって、DME自動車の研究開発や、乗客の代わりに貨物を積載したDMEバスの試験運行を進めた。1ヶ月間にわたる試験運行による各種性能指標は良好な結果を出し、中国の自動車用DME応用技術は、世界先進グループに躍り出た。

 先頃上海市経済委員会は関係部門を結集して査定を行ったが、専門家チームの認識によると、中国はDMEエンジン、DME市バス、自動車用DME燃料サービスステーションや商用化関連の重要技術をすでに把握している。また、DMEのエンジン、完成車や重要部品の実用化研究組織が形作られており、DMEの完成車、エンジン、サービスステーションや重要部品の企業基準も形成されている。

 上海市は次の一手として、10台のDMEバスに実際に乗客を乗せて1年間試験運行を行い、通常の運行条件の下でのDMEの信頼性、安全性や燃料の経済性をさらに検証し、試験運転期間に生じる諸問題を解決して、車両の操作、メンテナンス、安全等の規範や技術を完備し、DMEバスの本格普及に備えることになる。上海市の目論見では、2008年にはDMEバスを100台以上に増やして、2010年には全市のバスが「国4」排ガス基準に達するために条件を整える。また、国の関係部門に対し、DME車の車型の決定や公報、国家基準や業界基準の制定等の面で支援するよう要望することになる。

 (証券之星 12月25日)